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また、今日と同じ様な明日なんだろうか・・・。
数週間後・・・。
しばらく行くとようやく目的地が見えてきた。
あの後、家に着くと十一時を回っていた。
まったく・・・体育なんて教科は要らないぜ・・・。
「37度8分っと、熱あるね。」
「あ!寝坊だ!!…って、風邪で休むんだった…。」
僕は例の場所まにいた。相変わらず綺麗な場所だ。
歌声が聞こえ始めるまでにあまり時間はかからなかった。
なぜか胃がむかむかしてきた…。風邪がふっかつしやがったか?
ええと、ほぼ初めて書きおえた、小説というかSSというか…。
いつも通り帰り道を歩いていた。
「八時はすぎたな・・・」
「ところで、あの本何処まで読んだっけ・・・」
読んでる途中で寝たから、まったくといっていいほど思い出せなかった。
「あれぇ〜、何処行った??」
「はぁ〜ついてねぇ・・・」
バックはさっきの場所に置いてきた。
しばらく行くと急に風が出てきた。
「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・。」
どうせ自分を怒ってくれる人も今は家に居ない。早く帰る理由もない。
こんどはへんな鳴き声がしても走らないことにした。
月は…いまだでている…。
「こんなのって・・・。」
「こんな夜中に誰だ・・・?」
きれいな声だ・・・。
森を抜けると歌ははっきりと聞こえた。
ちょっと長めのスカートに、上部に小さな翼のようなのがついてる帽子をかぶっている。
気味は悪かったが、幽霊や妖怪のような怖いものではなさそうだし、
僕が近づいていくと、向こうも気づいたのか歌うのを止めすぐに木の反対側に隠れてしまった。
「ねぇ、君?ここら辺に本落ちてなかった?」
答えてくれない・・・。
「別に悪い奴じゃないさ、ただここに本忘れて来ちゃったんだ。
少女が木の裏から出てきてゆっくりこっちに来た。後ろになにかを持っている。
「これのこと?」
きゃしゃな細い手で僕の本を差し出した。
すごく透き通ったきれいな声だ・・・。
「うん、ありがとう。」
僕は両手でその本を受け取った。
「君はいつもここで歌っているの?」
「うん・・・」
「歌、上手だね。」
「聞いたの?」
「うん、・・・駄目だった?」
「そうゆうわけじゃないけど、なんともないの?」
「なにが?」
僕には何を言ってるのかさっぱり分からなかったが、
「なんともないならいいの。でも、もうこんな遅くにここに来ちゃだめよ」
「え?あ・・・うん。」
まさか、急にそんなこと注意されるとは思わなかった。
「だめ、絶対にだめ・・・。私が歌ってる時は特にね・・・。」
やけに寂しそうに言う・・・。
「そんなに聞かれたくないの?すごく上手なのに・・・。」
「そういうわけじゃないの・・・。」
今にも泣き出しそうな声だった。
「今何時くらいか分かる?」僕は聞いた。
「人間の時間だと…」
「えっ?」
「だ、大体十時半くらいよ」
「あ、そっか。ありがとう。じゃあ、そろそろ帰るね?」
「・・・うん。さようなら・・・。」
やっぱり寂しそうだった・・・。
「じゃあね・・・」
さすがに十時半はやばい。急いで走った。
それにしても寒い。体育座りが一番熱が逃げないはず…。
「あぁーーー。駄目だーーー。」
大の字に寝転ぶ。
本は持ってきたのだが読む気になれない。
そんな状態でさらに本すら読んでない僕をみんな心配してくれたようで
とにかくもう一度彼女の歌を聴きたかった。
「・・・おい、大丈夫か?」
「あや?」
口癖で不意に誰かに声をかけられるとつい言ってしまうのだ。
「もう授業終わったぞ」
先生だった。
「どうした?顔色が悪いぞ?」
「そ、そうですか?」
「あぁ。ちょっと保健室行ってこい」
「は、はい。」
僕だけみんなが歩いてく方向から一人違う方向に歩いていった。
「そうですかぁ・・・」
保健室に入るとすぐに保健の先生に体温計を渡されベッドに座らせられた。
着てる白衣は軽くピンクがかった色だった。
「家に帰ったほうが良いかもね。とりあえず、ここで安静にしててね。」
僕が返事をする前に部屋から出て行ってしまった。
とりあえずベットに横になった。そうえば軽くだるい気がする・・・。
あぁ、また聞きたいなぁ・・・。あの歌声・・・。
ガチャ。ドアが開いて先生が入ってきた。
「わざわざすみません。」
「別に大丈夫よ。」
大丈夫なようには見えないが・・・。
「それよりうちにお母さんもお父さんも居ないみたいね。どうする?」
「あぁ、大丈夫です。鍵はありますから。」
先生はちょっと困ったような顔をした。
「いや、そうじゃなくてね、どうやって家にかえるかってこと。」
「あぁ・・・、じゃあ歩きます。」
「それはダメ。誰か迎えに来てくれる人が居ないなら送ってくけど?」
「え?あぁ・・・じゃあお願いします。」
「わかったわ、ええと、正面玄関で待ってて。」
また、返事をする前に行ってしまった。行動だけは早いみたいだ・・・。
立ち上がると立ちくらみがきて、また座り込んでしまった。
ドアの目の前においてあったカバンを拾い保健室からでた。
「さみぃ・・・。」
うれしいことにこの学校は保健室からでたら目の前に正面玄関がある。
酔ってきた・・・。
「大丈夫かー?」
「い、いえ。全然・・・。」
なにかがのどまで戻ってきた。
何とか飲み込んだが、のどがなんか変な感覚になった。
「ここであってる?」
先生はいつの間にかすぐそばに居て、聞きながら僕を起こしてくれた。
「はい・・・。ありがとうございます・・・。」
ちいさな声だったから聞こえた分からなかったが、
「安静にするように。わかった?ただの風邪だと思うからすぐなおるわ。」
「はい・・・。」
「じゃあ、元気になったらまた学校にくるのよ?」
「はい。今日はどうもあり・・・」
また、聞かずに行ってしまった・・・。困った先生だ。
しばらく横になっていると吐き気はおさまってきたが、
まず、体温計。あと水分補給に水の入ったペットボトルとコップ。読もうと思ってた本を五冊ほど。
部屋に戻って熱を計ると38度3分・・・。上がってる。
昼飯はめんどくさかったから食わないことにした。
早速読書を始めようとしたが、少女のことが頭によぎる・・・。
しょうがなく寝ることにした。
とは言ったものの熱があるのにちゃんと寝付けるわけがない。
気がつくと夜中の三時だった。変な時間に起きちまった。
夢の中でもずっと彼女のことばかり考えていた気がする・・・。
熱を計ると36度5分。正常だ。
水をコップに注いで一口だけ飲んで小さなテーブルの上に置いた。
「はぁ・・・。もう一度だけ・・・。」もう一度だけ、彼女の歌を聴きたい。
しかし、なんとなくもう逢えない気がした。
いや、逢わない方がいい気がする・・・。
本を置き、部屋からでる。
そうだ、散歩でもしよう。
ちゅん、ちゅん。
静かだ…。一歩進むたびに落ち葉がカサカサとやかましい音をだす。
今日も彼女は歌っていたのだろうか?
明日は、学校休むことになってるだろうし、明日もう一度行って見るか…。
同じ道を引き返した。家まではすぐだった。
時間は12時過ぎ、やけに寝たな。
適当に着替える。適当といってもちゃんと暖かいかっこにはした。
家からあの場所までは大体一時間ってとこだ。
よし、行こう!
ははっ、善じゃないってか?関係ない。
それに本もあるから時間はすぐにすぎるはず…。
さっそく準備を始めた。
家を出ると走って道の入り口まで来た。
でも、どうしても聞きたかった。彼女の歌を。
ぴぴぴっ。腕時計が不意に鳴った。設定はしていなかったはずだが…。
本をバックにしまう時に忘れてた携帯食品に気がついた。そうえば今日一日なにも食べてない…。
とりあえず、途中まで実際に戻ろう。
懐中電灯をつけ、座っていた。怖い…。
カチッ、カチッ。時計の針が時を刻む。
そろそろ行こう。
しばらく進むと彼女の姿が見えた。
「やっぱり、綺麗な声…。それになんかいい曲…。」小さくつぶやく。
たしかに日本語だった。けれどなんていってるのかわからない…。
彼女の歌はなおも続く。きっと一晩中歌っているのだろう…。
「なんでこんなときに…。」
頭がわれるようにいたくなってくる。がどうにか耐える。
曲が終わった。
頭痛も吐き気もおさまっていった。
…。そうえば、彼女が歌わない…。
額に手を触れる。
「あつい!」思わず叫んでしまった。
僕は水筒の中身のお茶を目頭にかけた。
「いってぇ!」目に水がしみた。
水がしみた?!目は開いてるんだ…。
僕は…見えなくなってる…。
でも、なぜ…。
「それはね。」
「わぁ!」おどろいた。彼女は僕の目の前に居たのだった。
「私の歌を聴いたから…」
「え?」やっぱり、よくわからないことをいう…。
「聞いちゃダメって言ったのに…。」
「あ、ごめんなさい…。」
沈黙が流れる。驚きと不安が混じった不思議な感情だった。
「あの…、この目は…この眼は治るの?」
「…」
「ねぇ?」
「むり…、でもたまに例外は、いる…」
「君は人間じゃないよね…?」なぜか急に思った。
「ええ。夜雀…。妖怪よ…。」
「よすずめ?」
「うん、人間は夜の雀って書いて夜雀ってよんでる…。」
「鳥、なの?」
「うん…一応」
「たべる気?」冗談のつもりで聞いた。
普通なら、こんな状況パニックになってしまうだろうが、
「たしかに、最近人間食べてないわ…。でもあなたは食べない。」
「どうして?別に食べてもいいよ。」軽く笑いながらいう。もち冗談。そんなにMじゃあないさ。
「へんな人間!いままであった人間はみんな怖がって見えない目で逃げてくのに、なんであなたは…。」
「わからないけど、逃げなくてもいい気がするから…。」
鼻をすするような音がした。泣いているのか…?
また、沈黙…。なにかいいづらい感じになってしまった…。
ゆっくりと過ぎる時間…。
心は落ち着いていたが、頭ではパニック状態だった。
「あのさ…、一つ頼みたいことがあるんだけど…いいかな…。」僕はなんとか切り出した。
「…なに?」結構な間の後に答えた。
「もう一回歌ってくれない?こんどはもっと近くで聞かせて。」
「…やっぱりへんな人間…ふふっ」
笑ってくれた。彼女の歌を聴いてるときは確かに幸せだった。
熱くなり、見えなくなった目の上に彼女が手を当ててくれた。
「こっちに来て」
「うん。」
ある程度熱が無くなったところで、彼女は僕の手を握って歩き出した。
なにも見えない僕に合わせてゆっくり歩いてくれた。
「ここですわって」
彼女は大木のところまでつれてきてくれたのだ。
「はぁ、ふぅ…。」彼女が大きく深呼吸をする。
「じゃあ、歌うね?」
「うん」僕はあらゆる考えごとを頭から追い出し、思考を停止させた。
「どんなのがいい?」
どんなのがいい?といわれても…。ここはベタだけど。
「お勧めで」
「じゃあ、この曲から…。…もう歌しか聞こえない。」
いろいろと変な表現や、伝わりづらい場所や急ぎすぎてる場所等あり、とてもおかしな文になった
ところもあるけど、