夏休みも直前。一年を通してみると、また夏になってから思うと梅雨というのはどうしても忘れがちになってしまうのだ。
それほど、夏は楽しいということか?
朝っぱらからの湿っぽい空気は、近づいてきた夏の暑さと混ざり厭な汗をかかせる。
暑さに強い僕でも湿気には中中勝てない。
ぐずぐずと降らせようか降らせまいかと悩み込んでいる空、そして強い湿気は、
精神的に疲れさせてイライラを募らせる。
続く寝不足は肉体的にも疲労を溜めている。
爆発しないか?不安になる。
大丈夫だって。と言い返してくる自分はいつか、突然狂い出してしまいそうで怖い。
その恐怖は多少ながらも自分を精神的にさらに疲れさせてしまう。
いくら寝ても収まらない疲れ。
それを振り払うかのように、厄介な学校に向けてただ一人自転車を漕いでいた。
雨が降ってきた。
仕方なく、といった感じでパラパラと弱い雨が夏服の制服に染み込んでくる。
こりゃ、学校に行ったら大変だな。

本格的な雨。
校庭に撃ちつけられてく雨は不思議と興味をそそらせる。
やめておけ。濡れて厭な思いするだけだぞ?
―――そうだな…。
雨は遠くに何かを隠したいかの如く、視界を悪くさせる。
梅雨の癖に久しぶりの本格的な雨。
思い出しても、此処最近は曇り空しか出てこない。
転がったシャーペンを手に取り、黒板を見る。
入ってくる雨音。
自分達を静かに安心させてくれているのが、わかる。

晴れ間が広がった。
雀のかわいい啼き声がする。自然と癒されていく。
向こうで泳ぐ雨雲は、空の青さを強調させてくれた。
晴れたぁ。すっきりとする気分。
気持ちがいいもんだな。
虹が出る様子はないが、そんなもの無くても綺麗なものは綺麗だ。
それに虹があると逆にその景色を気分の悪いものにさせるときもあるし。
綺麗だからじゃなくて、見れたってことがいいんじゃないか。四葉のクローバーと同じだよ。見つけたらいいんだ。
虹見たらラッキーだなんて聞いたこと無いぞ?
でも、ラッキーじゃん。
太陽の光は濡れたものたちを乾かしていく。
そのおかげで湿度はさらに増して暑くなっていく。
どこかで暑いという声が上がる。
馬鹿か?暑いっていってんだから暑くなるに決まってるだろ。
勝手にさせとけよ。ここは涼しいんだしよ。
窓側の得等席は、湿っているとは言え涼しい風を送ってくる。
自分だけ悪い気がするな。
それは席がこうなったっていう所為。僕が悪いんじゃない。
強めの風がノートをペラペラをめくり、長い前髪で遊んでいく。
くすぐったいって。
いや、邪魔だ。
ただ、それに任せてなんとなく先生の話に耳を向けた。

最近ようやく鳴き出した虫達。
遠くで小さく聞こえてくる。歌とはよく比喩したものである。
癒しと安らぎ感が心を満たす。
夏では味わえないような風が窓から入ってくる。
十分と感じるために窓側に身を近づける。
あぁ、涼しい。
寒いと暖かさが欲しくなる。暑いと涼しさが欲しくなる。
当たり前なことなのに不思議な感覚が沸くこの方程式。
どこも不思議じゃないさ。常温に戻したいだけだろうよ。
自然と視界に入ってきた、月。
それはいつもより儚げだった。
たくさんの小さな雲達が周りを囲み、今にも隠してしまおうとしている。
ゆっくりと流れ行く、薄い、黒い雲が月を隠した。
月明かりがその雲を縁取るように洩れる。
目が離せなくなった。
雲と、月の動きに。幻想的な風景に。
―――綺麗な虫達の鳴き声。
―――涼しい風。
―――幻想的な夜空。
なにも欲しいとは思わなかった。
これらを見ている自分が自分と思えない。なにかどこかの物語の主人公のように…。
ただ、見ていたい。
そして、
ただ、見つめていた。
さっきまで、厭なことをばかり考えていた所為で眠れるような気のしなかった僕は、その感覚に浸った。
眠くなるのを待てばいいんだぜ?急がなくてもいい。
考えすぎ、だったな。
過去は所詮過ぎたことだ。未来なんてあるかどうかもわからない。現在なんて存在しない。
だったら生きるってなんなんだ?
ふふっ、時間に身を任せることだよ。
答えにならない答えに、僕らは身を任せた。
「出来る限り生きよう。」








今回はアイデアが何もでなかったから…っていうか最近アイデアが全然出なくて困ってる。
考え続けるのが重要なんだけど、まぁ、しょうがないか。
これは書きなおすかも知れないけどね。
ただ、夏休みの前に梅雨について思い出に残っている四シーンを書いてみた。
弱い雨の日の登校。
梅雨の癖に久しぶりな雨。
梅雨の晴れ。
月と雲。
こんなあたりかな。
月と雲のあたりはもっとちゃんと書きたかったんだが、目がいたい。
集中できない…。眠いし、なんてったって部屋が明るい。
疲れはひどいし、明日学校休みたい…。はぁ…。
( ゚∀゚)o彡°手抜き!手抜き!


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